数年前では「Wi-Fi? なんて読むの? うぃーふぃー?」とあまり知られていなかった『Wi-Fi(ワイファイ)』。
そんな無線ネットワークを構築する『Wi-Fiルーター(無線LANルーター)』ですが、今ではネット契約をしている家庭にはほぼ設置してありますね。
でも本当にそれはあなたのお家に合ったものなのでしょうか。
ただ安いから買った。評判がいいから買った。
選び方、実はそうじゃないんです。
この記事では、家電量販店のPC販売担当(ネット契約含む)だったわたしがおすすめする、現在おすすめのルーターを「一戸建て」「アパート(一人暮らし)」などの環境別でご紹介すると共に、初心者や機械が得意ではない女性にもわかるように選び方のポイントをいくつかピックアップしていきたいと思います。
買い替えや初めて買うけど何を選べばいいかよくわからない。そんな方に読んでいただきたい記事です。
おすすめWi-Fiルーターランキング
戸建て・マンション(複数人暮らし)
おすすめ1位:BUFFALO WSR-2533DHP
4DKクラスの3階建てでも電波が平均的に行きわたる1万円以下のルーター。
色々な家電系雑誌でも評価が大変高く、速度も公式公表の数値に近い製品。階数が違っていてもほぼパワーが落ちることがありません。
4ストリーム(内蔵アンテナ4本)なので家族が多くてもパワーが落ちにくく快適なWi-Fi環境を楽しめます。
スマホなどWi-Fi機器に狙いを定めてくれる「ビームフォーミング機能」も搭載されており機能豊富な製品。
アンテナ内蔵型としては最強クラスで、個人的にも使っているコスパ抜群ルーターです。
おすすめ2位:BUFFALO WiFi WXR-1901DHP3
1位に挙げた「2533DHP」よりも価格は上がりますが、外部アンテナにより家の環境に合わせたセッティングが可能。
こちらは3ストリーム(アンテナ3本)ですが、一戸建て、マンション共に問題なく電波が伝わります。
2.4GHz帯と5GHz帯の空いている電波帯域に自動的に切り替えてくれる「バンドステアリング機能」が搭載されており、その時の電波状況に応じた環境に変えてくれます。
また「アドバンスドQoS 4Kモード」が搭載され、NetflixやYouTubeなどの4K動画をWi-Fi環境で見たい場合に快適に再生できるように。
階数が違うと若干速度が落ちますが、それでも他のルーターに比べればかなり速いです。
おすすめ3位:エレコム WRC-2533GHBK2TA
2位に挙げた「WXR-1901DHP3」よりも安く、4ストリーム(内蔵型4本)と高性能なエレコム製ルーター。
バッファローと同じく「ビームフォーミング」機能があるため、内蔵アンテナでもスマホなどに集中して電波が行くようになります。
接続設定は、PCの場合には同梱の「かんたんセットアップCD」がありますし、スマホ・タブレットの場合は「QR link」というアプリを使うことで簡単に接続が可能。PCはソフトが必要になりますが、スマホなどは3ステップで接続できるので初心者にも問題なく扱えるのも良し。
エレコムは通信に安定感があると評判でおすすめです。
アパート(1~2人暮らし)
おすすめ1位:BUFFALO WCR-1166DS
1ルーム~2DKならこれを買えばOK。
11ac対応・2ストリーム(内蔵アンテナ2本)で、一人暮らしではまずこれで十分。これ以上のものを買ってもオーバースペックです。
サイズが横幅11cm・奥行5cmとコンパクトなのも魅力ですし、「ビームフォーミング」機能も搭載されて価格がなんと3,000円台と激安!
同じ価格帯のWSR-300HP/Nという製品もありますが、性能はこちらよりも低く、ビームフォーミング機能もありません。
おすすめ2位:エレコム WRC-F300NF
11n/g/b規格の対応ですが、ワンルーム~1LDK程度なら全く問題ないです。
Wi-Fi機器への接続も簡単ですし、初めての1台にもおすすめです。
なによりこの製品の一番の魅力は価格。なんと2,000円以下!!
Amazonでも1,000件近い高評価を得ており安心の1台です。
Wi-Fi規格の違いと特徴
お店やAmazonなどでルーターを探していると、箱や特徴に「11n」とか「11ac」などが大きく書かれているのを見たことがあるでしょう。
正直なにも知らない方にとってこの未知の数字とアルファベットは「なんじゃこりゃ」だと思います。
実はこれ、この製品が「数種類ある通信規格のうちどれに対応しているか」が表示されているんです。
でもこんなの普通の人にはさっぱりわからないですよね。
でもご安心ください。どれを選べばいいか結論から言います。
今買うなら「11ac」規格で良し。
一応、以下に各通信規格の違いを載せておきます。関心なければ飛ばしてOK。
通信規格 | 最大通信速度 | 特徴 |
IEEE802.
11a |
54Mbps | 家電製品などでは使用されていない5GHz帯の周波数帯のため、Wi-Fi機器以外での干渉が起こりにくい。ただし壁などの障害物に弱い。 |
IEEE802.
11b |
11Mbps | 2.4GHzのため他の機器からの干渉を受けやすいが、伝送距離が長く、障害物や屋外に強い。 |
IEEE802.
11g |
54Mbps | 2.4GHz。11bと互換性があり、11bからさらに5倍以上高速化されている。 |
IEEE802.
11n |
600Mbps | 2.4GHzと5GHzどちらにも対応。a,b,gとも互換性があり安定した通信が可能。 |
IEEE802.
11ac |
6900Mbps | 5GHz。11nよりも理論的に10倍以上高速化されている現在の主流規格。 |
IEEE802.
11ad |
6800Mbps | 60GHz。現在開発されている規格の中で最も新しいもの。電波干渉も起こりづらく高速だが、まだ出始めのために対応機器が少ない。 |
現在使われている周波数は主に2つ
ぶっちゃけ今は「11a」「11b」「11g」は見なくてもよし。
「11n」も古くなってきました。今は基本「11ac」だけ見ていればいいです。
今「11ac」を選ぶ理由
「n」でも十分高速通信は可能ですが、今の主流は「ac」に移っています。
acであれば5GHzで他の機器からも干渉を受けづらく、数値的に見ても一つ前の「n」よりも圧倒的に高速通信が可能となります。
どうせなら次世代の「ad」のほうがいいんじゃないかと思うかもしれませんが、実はこれまだ対応製品が少なく、使ったとしても対応外の機器には適応されず、結局「ac」の速度になります。
adの普及には数年かかる見通しで、これを5年以上は使い続けるという場合を除いては「ac」で大丈夫です。
ルーター選びのポイント
ストリームを確認しよう
ストリームとは無線ルーターのアンテナの本数を指します。
ルーターのパッケージを見ると「2×2」「3×3」などの表示があるのですが、それがストリーム数、つまり本体に備わるアンテナ数になります。(正確には送信受信など細かな点がありますが、今回は割愛)
「2×2」なら2本。
「4×4」なら4本。
アンテナの数が多いほどそれだけ安定性が増し速度が上がります。
そしてアンテナ数の横に、↓のようなわけのわからない数字が書かれているかと思います。
簡単に言うと、「この製品はこれだけスピードが出ますよ」って説明の数値です。
この数字は初心者の方は無視していただいて構いません。わかる人だけわかればいいです。
とにかく見てほしいのは「11ac」などの通信規格と「2×2」「3×3」などのアンテナ数だけです。
一応以下に補足説明を載せておきますが、関心なければ飛ばしてOK。
1ストリーム(1本) 433Mbps
2ストリーム(2本) 866Mbps
3ストリーム(3本) 1300Mbps
4ストリーム(4本) 1733Mbps
といった具合。
※実速度は環境による
アンテナ数は2本。よって速度は866Mbpsまで出る。
「11n/g/b」も使えるから300Mbpsも書いとくよ。って感じです。
「+」とありますが、足されるわけではありません。
このようにこの「866」などの数字はアンテナの本数によって大きくなっていくんです。
ストリーム(アンテナ)が多いとなにがいいの?
ストリームの数が増えることによる大きなメリットは、複数台同時接続時のパワーが上がることです。
1ストリームの場合、1台にしか強いパワーが行き届きません。
家族全員がWi-Fiを利用している場合、特に夜なんかはストリーム数が少ないと速度が落ちてしまうでしょう。
しかし3ストリーム、4ストリームの場合、その数に応じた機器と同時接続しても電波が衰えにくく、最大限のパワーが発揮できるんです。
現在市販で出回っているストリームの数は最大4です。
一番いいのは「4×4」というのを覚えておくといいでしょう。
家族人数によって選ぶ
家の広さに関しては、「11ac」を選べば大抵の家なら大丈夫です。
最近は上で説明したように、主に “その家に住む人数” で決めることも大切になってきています。
一人暮らしの小さなアパートで4ストリームあっても正直そんなに意味はありません。2ストリームあれば十分でしょう。
逆に3から5人家族で住む家であれば、2ストリームは少ないかもしれません。最低3欲しいところ。
このように何人で住んでいるかとか、家庭のWi-Fi使用状況など環境によって選びましょう。
アンテナが内蔵か外付けか
ルーターの中には、アンテナが内蔵されているものと外についているものがあります。
大きな違いは単純で、外付けは向きが変えられることです。
基本その方向へ向かって電波が飛ぶので、各部屋に向けることができますし、垂直に向けて1階から2階に効率よく飛ばすこともできます。
内蔵型はまんべんなく電波が飛ぶので、どこかに集中して電波が行くということがない。
これも家の環境に応じて選択しましょう。
初心者・女性におすすめのメーカーはどこ?
1番のおすすめはBUFFALO(バッファロー)
昔からルーターと言えばバッファローで、個人的にも昔からお世話になっているメーカーです。
初心者に優しいワンタッチ接続が可能な「AOSS」は今も健在で人気。ソフトいらずで簡単に設定が完了してしまいます。
慣れると1分くらいで設定できます。
格安のものからハイパワーな高級機まで幅広いニーズに合った製品を選ぶことができてとてもいいメーカーです。
難点なのは、製品が多すぎることですかね 笑
続いてのおすすめはNEC・エレコム
バッファロー製と同じように初期設定ができるので、割と簡単に接続可能です。
ただパソコンと繋げる時にソフトを入れる必要があったりと、ある程度PC知識が必要になってくる場合があるので注意。
安定感を求めるなら、バッファローよりも強いかもしれないメーカー。
速度をアップさせるならLANケーブルの変更はあり?
LANケーブルの名称の部分に「カテゴリー(CAT)」というものが書かれているのに気付いたでしょうか。
最近ではCAT7が出ており、数字が大きいほど転送速度が上がると言われています。
しかしぶっちゃけた話、素人にはカテゴリー6も7も違いは体感ではわかりません。速度を測ってようやくちょっと速いかなという程度なので、そこまで気にしなくても大丈夫です。
ただ選ぶときはカテゴリ6(CAT6)以上を選ぶようにしましょう。
まとめ
買う時に気にするポイントのまとめ
●11ac(1ルーム程度は11nでも良い)
●家族の人数でストリーム数(アンテナ数)を決める
●完全初心者はとりあえずバッファロー製
と、こんな感じです。
大まかにはこの3つを意識してもらえればOKです。
Amazonの商品名で「866+300Mbps」とか書いてあってなんじゃこりゃ!となったらこの記事を参考にしてもらえればだいたいわかるかと思います。
参考になれば幸いです。
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